手伝ってくれる入居者さん

自立度が高い入居者さんは

家事を手伝ってくれる。

施設勤務だと、介護士でも

介護以外のことをやらないといけない。

 

生活支援といわれるが、

度を超していることもある。

手伝ってくれる入居者さんは

「立ってる者は親でも使え、というでしょ?」

と言い、快く引き受けてくれるから

非常に助かる。

 

介護士の介護以外の仕事
  1. 食器洗い
  2. 食べこぼしなどの床掃除
  3. ご飯を炊いたり、味噌汁を作る
  4. 洗濯をする、干す、たたむ、返却
  5. 衣服のボタンが取れたら時々針仕事
  6. 施設内にある観葉植物の世話、水やり

 

これだけ見たら大したことないと感じるが、

1と4は数が半端ないこともある。

食器は1日に100枚以上、

洗濯物はバスケット山盛りが3杯

あったこともあった。

 

業務に支障が出る。

 

  • 入居者さんの居室での転倒に気づかない
  • 入居者さんの危険な行動に気付きにくい
  • 入浴準備、着替え枚数が足りない
  • 乾いてない洗濯物が場所を占領
  • すぐにコール対応出来ない

 

これだけのリスクがある。

 

人手不足で、1人1フロアを数時間

まわすということも珍しくない。

そんな中、介護以外の仕事もしながら

入居者さんを10名ほどみる。

 

絶対事故が起こる。

 

いや、入居者さんは

もう既に何回も転倒したり、

施設外に出てしまったりしている。

 

何故、洗濯物などを業者に頼まないのか?

 

と不思議に思うかもしれないが、

施設もお金がない。

だから、介護士がしている。

 

 

介護士がやりきれない部分を

 

 

入居者さんが手伝ってくれる。

 

 

正直、手伝ってくれないと

まわらない施設もあった。

 

その人に時給を払わなきゃいけないのでは

ないかと思うくらい、よくしてくれる。

 

そして、介護士より上手。

 

洗い物は

介護士より洗い残しが少ない。

 

洗濯物干しは

規則正しく乾きやすいように干してある。

 

洗濯物たたみは

名前が見えるように、丁寧にたたんである。

 

他入居者さんが立ち上がったり、不穏だと

介護士に声をかけてくれたり、

見守ってくれる。

 

介護士は大変助かっていた。

入居者さん本人も手足の

リハビリになると喜んでいた。

 

しかし、頼めないときもある。

 

入居者さんが不調のときだ。

このときばかりは、介護士

やるしかない。

 

当然、終わらない。

 

とのことで、洗濯物は業者に頼むことに。

 

手伝ってくれていた入居者さんは

やる量が減ったので、

少しさみしくしていた。

 

しかし、一日中介護士の仕事の残りを

してもらっていたので、疲れて身体を

壊さないか心配している介護士もいた。

 

終わらないからといって、一日中

入居者さんに手伝ってもらうよりも、

ある程度業者に頼んでも良いと

私は思う。

 

入居者さんは業者に頼むと、

「やることない」

と言って残念がった。

 

手伝ってくれるのは本当に嬉しいし、

大助かりだけど、一日中洗濯物を干したり

たたんだり、洗い物をしたりなど

無理はしないで欲しい。

誰のための施設、介護か分からない。